認知症ってそんなに忌み嫌うものかスケプティクスな見地で考える

 

認知症ってそんなに忌み嫌うものかスケプティクスな見地で考える
認知症が、砂川啓介さんの訃報によって山のぶ代さんがクローズアップされたことで注目されている。そりゃ、できればなりたくないし、介護する側からすれば大変なことである。しかし、スケプティクス(懐疑的)に見たら、そんなに忌み嫌うものだろうか、という見方もできるような気がする。

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2015年5月、大山のぶよさんの認知症を公表した砂川啓介さんは、自身も2013年に初期の胃がんの手術を受け、さらに2016年4月には尿管がんの診断も受けていた担がん者であった。

砂川啓介さんは、大山のぶ代さんのことで一部から批判を受けていた。

たとえば、「国民的声優の隠すべきこと(認知症)を暴露したことがけしからん」
「良い夫ではなかったくせに、ここぞとばかり良い夫ぶるな」などなど。

これは、1999年から10年にわたって、アルツハイマー病を患った南田洋子さんを介護した、長門裕之さんのケースと同じである。

すでにこのブログでは、長門裕之の好きにすればいい、何が悪いんだ、と筆者は書いた。

長門裕之はゼニ目的というが、疑似科学批判はそうではないのか?

介護したものでないと、介護の苦労はわからない。

ましてや、長門裕之さんにしろ、砂川啓介さんにしろ、子供がいない。

家族ふたりきりで、その片方が認知症になってしまったのだ。

打ち明けることで、心が晴れることもあるだろう。

何より、認知症を「隠すべき」とすること自体、非常に陰湿な、思いやりの体裁で隔離するような冷たさを感じる。

過去に良い夫だったかどうかなんていうのも関係ない。

そもそもそれを決めるのは妻であって、第三者ではないだろう。

いずれにしても、それだけ認知症は介護者にすさまじい負担をかける。

ただ、その一方で、矛盾しているように聞こえるかもしれないが、当人が認知症で人生を終えることはそれほど悪いことではないんじゃないか、とも考えているのだ。

認知症、好んでなりたくはないが、なったらなったでそれも人生

全国40~69歳の男女112名を対象にした『DHA・EPAの認知度に関する調査』で、親に患って欲しくない病気を調査したところ、ガンを抑えて認知症が1位になったという。

認知症。最も親に患ってほしくなく、最もなりたくない病気。

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ガンと認知症。

どちらもいやだから、1位と2位がそうなってしまうのはわからないでもない。

ただ、気になるのは、その1位と2位の順番である。

1位が「認知症」という回答は、介護する側(子)の都合であろう。

本当に親のことを第一に思うなら、そういう答えにはならない。

常識的に考えれば、やはりがんだろう。

認知症は介護する側が大変なだけで、本人は必ずしも大変ではない。

今回、大山のぶよさんが、砂川啓介さんの棺の中を見て涙をこぼし、すぐに棺から離れたという。

つまり、砂川啓介さんの死はそのときは、おそらくはショックをもって確認できた。

しかし、その後は今は元気にしており、時折笑顔も見られる、という。

それは、認知症が、夫の亡くなった悲しみもすぐ忘れ、自分の置かれた立場も分からず死への恐怖もない幸せな状態だからである。

みんな、元気なうちは、認知症が嫌だという。

しかし、それは、その状態を介護する側、もしくは第三者的な見方で言っているだけで、実際に認知症になった時の自分の側からは見ていないのではないか。

もちろん、人生哲学や死生観として、人様に迷惑をかけたくない、という強い気持ちをもつことは自由だ。

ただ、そこで一言留保をつけたいのは、そもそも人間というのは、しょせん迷惑をかけあって生きているのではないか、ということである。

さんざん迷惑をかけておいて、死ぬときだけピンピンコロリだからきれいな人生だった、などと考えられてはかなわない。

生まれて、人に育ててもらい大きくなり、成人して社会のお役に立ち、そして年老いてまた人の世話になって人生を終えていく。

『人に迷惑をかけるな』というのは、豊かになって人が孤立し始めた現代の妄想ではないのか。

お互いに迷惑をかけ合ってこそ、人間関係が育まれ社会にうるおいが生まれるのではないのか。

何より、認知症を忌み嫌う発想は、たとえば障がい者を排除する価値観とむすびついていると思う。

社会は弱者によって発展する。

そして人としての心は、迷惑を受けることで豊かになっていくのではないだろうか。

そろそろ知っておかなきゃ!認知症 (中公ムック 婦人公論の本 vol. 8)

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2017/07/25
  • メディア: ムック

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