『運命は「口ぐせ」で決まる』すべて口ぐせの通りになるのなら「不老不死」と唱えていれば本当にそうなるのか?

 

『運命は「口ぐせ」で決まる』から“引き寄せの法則”の虚実
『運命は「口ぐせ」で決まる: 望みを叶える人に学ぶ 思考を現実化する法則』(三笠書房)が話題である。例の“引き寄せの法則”についてだ。Facebookのタイムランには「科学的に証明」とまで書かれている。さすればスケプティクスに考えてみよう。

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『運命は「口ぐせ」で決まる』の著者は、生き方健康学者と称する佐藤富雄氏である。

タイトルにテーマが凝縮されている。

どうして「運命は口ぐせで決まる」のか?

それは、脳が口ぐせを具現化するからだという。

いうなれば、自己啓発セミナーなどがいう“引き寄せの法則”である。

もちろん、それを信じて仕事や勉強に勤しむことは否定しない。

しかし、「科学的に証明」とまで書かれて喧伝されている以上、「おいおい」と突っ込んでおかねばならないだろう。

運命は口ぐせで決まる

第一に、「脳が口ぐせを具現化」という言い分の限りにおいても、全く合理的ではない。

すべて口ぐせの通りになるのなら、「不老不死」と唱えていれば本当にそうなるのか。

んなわけがないだろう。

それに、人生というのは、自分の努力や心がけだけでは成立しないのも子供にでもわかる理屈だ。

たとえば、道をまっすぐに歩こうとしても、反対側から人が来たらぶつかってしまう。

人ならまだいい。

車ならどうするのか。

ブレーキを踏むタイミングをはずしたら、命まで危ない。

だいたい、「科学的」というが、統計的な根拠でもあるのか。

たとえば、1000人が、あることを口ぐせにしたら、具体的にどう実現したのか(しなかったのか)、という「前向き調査」をしたという話など聞いたことがない。

そして、同書に限らないが、“引き寄せの法則”を唱える書物は、引き寄せの法則でコレが実現しました、という話は書いても、実現しませんでした、という話は絶対に出てこない。

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もし1000人の口癖の「前向き調査」を行ったとして、1人でもそのとおりになれば、その1人の“成功談”だけを書き、残りの999人のことは「なかったこと」になってしまうのだろう。

善意に見ても、“引き寄せの法則”の話は、「後ろ向き」な都合のいい例を書いているにすぎないと思う。

理系なら気づいてもいいはずだが

信じるものは救われる話にツッコミを入れるのは、野暮なことかもしれない。

しかし、過去にあった(今もあるかもしれないが)、いかがわしい抗がん健康食品のバイブル本の構成がまさにそうだったではないか。

その健康食品を使ったら、がんが治ったという体験談を載せる。

しかし、そもそも「治った」こと自体、医学的に確かなことなのか。

また、その健康食品を利用して、「治った」人は何人て、治らなかった人は何人なのか、という統計的な根拠が書かれたためしがない。

本当なら、科学や医学の教育を受けた人なら、そのへんは見破ってもいいはずだが、理系でもかんたんに騙される。

しょせん、学校の勉強が、試験のための勉強、いい成績をとるための勉強でしかないから、自分自身の理性として反映されていないのだろう。

断っておくが、“引き寄せの法則”を信じてはならない、自分に暗示をかけて頑張ってはならない、などといいたいのではない。

大いに頑張ったらいい。

ただし、根拠のないことを信じても、ただの情弱の温床になってしまうという話だ。

口癖も結構だが、何より、自分の目標を定めたら、合理的に逆算して、それに噛み合う努力をすべきだと思う。

“引き寄せの法則”の信者の皆さん、そう思いませんか。
運命は「口ぐせ」で決まる: 望みを叶える人に学ぶ 思考を現実化する法則 (単行本) -
運命は「口ぐせ」で決まる: 望みを叶える人に学ぶ 思考を現実化する法則 (単行本) –

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