エコフィードと豚肉(前)

   2015/01/27

buta
エコフィードという言葉をご存知だろうか。先の『牛乳は体に悪いのか』(宝島社)では、最近一部の人に注目されている問題にも言及している。リサイクル飼料(エコフィード)の問題である。コンビニの時間切れ食品を飼料として再利用することが、我が国でも法(食品リサイクル法)的に後押しされた。アメリカのトウモロコシがエタノールの原料に使われ、豚の飼料の約半分を占めているトウモロコシの価格が高騰しているため、エコフィードの利用を考えている養豚家もいるという。

牛乳は体に悪いのか』(宝島社)では、コンビニ食品に多用される残渣豚肉を豚が食べれば「ともぐい」になり、BSEの二の舞になりやしないか、と心配する向きがあると書いている。

さしあたって、「焼却の際の有害物質排出」や、「腐敗」「異物」「塩分・脂肪分」「食品添加物」などの混入問題が取り沙汰されているが、こんにちそれらがクリアになったという話は聞かない。たとえば、異物は手作業で処理しているようだが、本格利用するならそんなことではダメだろう。

筆者はこの件で、養豚協会関係者に話を聞いてみた。関係者某氏はこうコメントしている。

「現実にエコフィード飼料を使うと思われる農家は、コンビニの残渣食品、パン工場等から出る製品を作る際に出る端切れ等が主流になるので、都市部に近いところ或いはパン工場等に近いところの農家が利用できる状況に過ぎません」

そうだろうか。

残飯はそのまま食べさせるのではなく乾燥粉砕の後、バッケージ化された商品として販売されてもいるのだから、いずれは全国の養豚家に普及していくだろう。

中には、リサイクル飼料だからといって特別な物と思うのはおかしい、という意見もある。ただ、いずれにしても“未知の物”で上記のような懸念や問題点が指摘されている以上、情報を正直に公開した上で安全性を確認し、消費者の判断を尊重する、という手続きは必要だろう。

この問題の背景にある、「まだ食べられるものを廃棄している」ことや、「食糧自給率が低い」といったことは措こう。今回は、木酢液同様、作り手・売り手側の情報公開に絞って調べてみることを筆者は思い立った。

まずは、養豚関連の農学系某学会に養豚業者のリサイクル飼料使用状況を尋ねた。
だが、回答は「知的財産」にかかわるので簡単に教えられないとのことだった。

その一方で、筆者の質問はホームページに載せたいと宣ったので、筆者の質問も筆者の「知的財産」であるから勝手に載せるなとかたくお断りした(笑)

同学会の目的は、養豚技術の普及や振興にあるというが、消費者に対する宣伝や啓蒙活動を行いながらから合意形成を得ることなしにそれを目指しても、真の発展はあり得ないだろう。エコフィードが話題に上りつつある昨今こそ、世間の関心の一歩先を行く情報の公開と解説を進んで行うべきではないのか。

ハム・ソーセージ業者に限定して問い合わせた

一消費者が自力で調査するといってもできることには限りがある。

いきなり全国の養豚業者全てをしらみつぶしに調べることは、「普通の人」である筆者には不可能である。

ブランド精肉が市場にどれぐらいあるのか、さらにそれはどこの養豚場からのものかを調べるのも途方もない作業であり無理だろう。

たとえば、大手スーパーなどにも卸されている「あじわい麦豚」は、ニッポンハム系のブランド豚肉だが、同社がどこの契約農家の豚を使っているかは、同社担当部署から書類でも盗み出さない限りわからない。

ただし、函館カールレイモン、鎌倉ハム富岡商会、ヘルマン等の肉製品製販一体業者が、材料としてそれを使っていることはわかった。

そこで、養豚や精肉の段階では無理でも、商品(肉製品)になったものから原材料である豚肉のリサイクル飼料使用状態を確認すればいいのではないかと考えた。

豚肉由来の商品は多様だが、ひとまずは自社ブランドのハム・ソーセージを製造・販売している大手・中堅30社について問い合わせてみた。その回答状況は、次のエコフィードと豚肉(後)でご紹介しよう。(つづく)

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