メタボで脳卒中の罹患が増えるか?

   2015/01/27

メタボと患者
メタボで脳卒中の罹患が増えるか?以前、ご紹介したメルマガ「知らなきゃ絶対損する健康法の裏技・裏情報」の著者である佐野啓明さんから、先日発行した第56号に関連する貴重な情報をいただいた。多くの方に知っていただきたいので、このメルマガでもご紹介しよう。

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「日経メディカルブログ」に書かれている北澤京子さんの「医学論文を斬る」に、「メタボリックシンドロームは脳卒中と無関係?」という記事がある。

「斉藤功、小西正光、渡部和子、近藤弘一、藤本弘一郎、岡田克俊『地域集団におけるメタボリックシンドロームの脳卒中罹患に及ぼす影響について』日本公衆衛生学会誌2007; 54: 677-83」という論文についての論評である。

同論文は、「日本において、メタボリックシンドローム(以下、メタボと略)の診断基準を満たす人は、そうでない人に比べて、脳卒中の罹患が増えるかどうかを検証」した。

愛媛県旧O市(2000年の人口は約3万9000人)で、1996?98年に基本健康診査を受けた40歳以上の男女4672人中、脳卒中の既往がある人を除いた4627人のコホート研究(筆者注、過去ではなく、そのときから未来がどうかを調べる研究)で、結果は、「メタボありの人でも脳卒中罹患リスクは有意に上昇しない」という。

北澤京子さんはこの論文について、「未知の交絡因子(筆者注、付随する他の要因)が存在する可能性を否定できないものの、結果はほぼ信頼できるのではないかと思われます」としている。

筆者も、メタボで「予防」する疾患は「ウエスト何センチ」という一律数字それ自体の意味よりも、「未知の交絡因子」をさらに調べることの方が重要ではないかと思った。

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余談だが、「きっこの日記」は「メタボ健診」について、また間違ったことを書いている。

「『メタボ退治』と称して、国民のウエスト、血圧、中性脂肪値、空腹時の血糖値などを計って、基準値を超えてる人は『最大10%の医療費アップ』をするんだって!」(2007/12/16 (日)「 自民党こそがアルカイダ 1」)

「メタボ健診」というのは、「40歳以上の被保険者・被扶養者を対象とする、内臓脂肪型肥満に着目した健診及び保健指導の事業」である。「国民を」というきっこの書き方は不正確。中学生や高校生は対象としていないのだから……。

「最大10%の医療費アップ」が決まったという話もない。保険料の引き上げがあるとしても、それは被保険者全員に対してであり、現実問題として「基準値を超えてる」かどうかで医療費が変わっていたら医療現場は混乱するだろう。

「10%」という数字は、いわゆる後高医に関する法律で、医療保険者が負担する支援金を最大10%加算減算する規定から引っ張ってきたのではないだろうか。繰り返すが、これがそのまま一般の健保医療費アップにつながるわけではない。

それにしても、何でこんな人がウケるのかなあ……

それだけ、本来正しいことを書くべき者(科学者など)に対する潜在的な反発心や物足りなさなどが国民の中にあるのかもしれない。

健康情報・本当の話

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  • 作者: 草野 直樹
  • 出版社/メーカー: 楽工社
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 単行本

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