大槻義彦氏の「江原糾弾」果たして本気で批判しているのか?

   2015/01/28

パフォーマンスはもういいよ
大槻義彦氏(ジャパンスケプティクス元副会長)は先頃、『紙の爆弾』(2008年5月号)という雑誌において、「これ以上、江原を金もうけに走らせるわけにはいきません!」というタイトルのインタビューに登場。次のように述べている。「心ある弁護士の協力のもとに放送や出版差し止めの仮処分を申請します。テレビ局にインチキ番組の放送を止めさせ、反省の談話を出させます。出版社も同様です」というのだ。

『紙の爆弾』を発売する鹿砦社といえば、ジャニーズやアルゼと出版差し止めを含む泥仕合をくり返し、松岡利康社長が逮捕、半年勾留、有罪判決にまで至ったアルゼ事件というのもある。

また、『紙の爆弾』自体も、昨年春の記事を巡って、芸能プロダクションのバーニング・プロから訴訟を起こされ、「恫喝訴訟」であると糾弾している最中だ。

そのようなな媒体で、「出版差し止めの仮処分を申請」などとのたまう神経はおよそ理解に苦しむ。

もちろん、個人の意見と媒体の立場が違ってもいいのだが、読者はその媒体のファンなわけだから、そもそも自分の意見を書くだけでは十分に伝わらず読者が戸惑うだけだろう。

おそらく、大槻義彦氏は同誌について認識が不足しているだけでなく、「表現の自由」をめぐって、近年どのような事が起こり、誰によって何が語られているかということもご存じないのではないか。

もっとも、その件については、そんな人物を登場させた『紙の爆弾』のセンスをまず責めるべきだ、という意見もある。

それはたしかに否定できない。

筆者は、同誌の事情に詳しいわけではない。ただ、当該記事は大槻義彦氏が売り込んだわけでも、同誌が大槻義彦氏を強く求めていたわけでもないらしい。

同誌編集長と、夕刊紙の記者が知り合いで、その関係からブッキングされたと聞いている。

が、まあ、それは是も非もないのでどうでもいいか。

大槻義彦氏は今回、「マスコミの江原啓之タブーで発言の場がなくなった」と言うが、これを読む限り、少なくとも『紙の爆弾』はちゃんと発言させてくれているのではないか。

気に障るパフォーマンス

大槻義彦氏の自己演出が小泉純一郎氏と同じパターンであるのは、少し賢いウォッチャーならお気付きだろう。

自分が弱い立場で同情されるべき正義の味方であるような「闘いの構図」を作り上げ、その一方で、やれ辞表を背広の内ポケットにしのばせているだの、やれ宇宙人の戸籍をもってこいだのと、大向こう受けする「ギャグ」もぬかりない。プロレスラー顔負けのアングル作りの名人である。

本当に場がないというのなら、SNSだろうがメルマガだろうが、JANJANだろうが、ツカサネット新聞だろうが、発言する場を自分で作ればいいだけの話ではないだろうか。

筆者は何の特徴もない個人メルマガを無報酬で11年続けて、7000部まで発行数を伸ばした。

なぜ大槻義彦氏(ジャパンスケプティクス元副会長)にそれができないのか。大槻義彦氏が本気なら、何だってやれるだろう。

やらないのは、大槻義彦氏の「啓蒙活動」が、しょせんタレント活動でしかないからだろう。

もうひとつ先を読めば、大槻義彦氏自身、自分の今回の主張が通るとは思っちゃいないかもしれないし、軽率な発言であると批判されることも承知の上なのではないか、とも思う。

要するに、今回も「反オカルトタレント」としてのパフォーマンスに過ぎないのではないか、という疑惑である。そこが腹が立つ。

そういう騒ぎ方をしても、結局「江原」も「江原信者」も水面下に潜ってしまうだけで、「なぜ人はオカルト・疑似科学に騙されるのか」という肝心の問題は何も解決しないからだ。

そのうちメディアでは、ポスト江原啓之を捜してくるだろう。そして、新しいオカルトタレントが登場すると、また大槻義彦氏は「対決」パフォーマンスで盛り上げ、タレントとしてバリバリ仕事をする。

その影で、江原啓之信者はいつのまにか置き去りにされる。

15年前の宜保愛子さんのときは、そういうやり方もありなのか、とも思った。

もともと大槻義彦氏の言ってることは、板倉聖宣氏の二番煎じに、いくつかの「聞き書き」が加わっただけのものだが、大衆に知らせるために、ある程度のセンセーショナリズムは必要悪で、そういう道化役も存在価値はあるのかと思うようにしていた。

しかし、15年たってもこの人は何の進歩もなかった。いや、それどころか、批判に対して意固地になったのかどうか分からないが、「ちょっとまずいな」と思える発言も目立ってきた。

とにかく、もう、このパターンは見飽きた。みなさんは、そう思わないのか?

「反オカルトタレント」の本質をきちんと見極めもせずに、見かけのパフォーマンスにひっかかり、反オカルトの代表者であるような持ち上げ方をするような奴など、何が懐疑派なものか、と筆者は思っている。

追記

その後、大槻義彦氏がこの宣言通り、江原啓之氏を訴えたという話も、放送局を訴えて謝らせたという話も聞かない。まあ、そんなことはなくてよかったのだが……。まったくねえ。

大槻義彦氏については、下記の書にも詳しい。

健康情報・本当の話

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  • 作者: 草野 直樹
  • 出版社/メーカー: 楽工社
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 単行本

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