大槻義彦氏の江原啓之氏糾弾はどう思いますか?

   2015/01/28

大槻義彦氏をどう思いますか
大槻義彦氏の江原啓之氏糾弾について、さらに続ける。「非科学・反科学言論を法で規制すべきかどうか」の話に戻そう。「法で規制」といっても、大槻義彦氏が主張していることは、バイブル本の史輝出版が摘発されたケースとは意味が違う。あれは「薬事法違反」という犯罪に結びついたから摘発されたのである。

大槻義彦氏の場合は、「非科学・反科学なもの」に対して、科学者が法による言論活動の規制ができる道筋を作る、ということである。

大槻義彦氏は、霊感商法・霊視商法の被害を忽せにできないという。しかし、それは「どのような犯罪行為に結びついたか」が明らかになり、法律に則って違法性があれば、司法がその判断を下すことである。

出版の事前差し止めをしなければならないことではないだろう。

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「表現の自由」の「自由」は無原則でよいといっているわけではない。

放送にBPOというものがあるが、出版でも「メディア内でトラブルを解決する」機関を望む人は少なくない。以下は、筆者が『噂の眞相』発行・編集人だった岡留安則氏に聞いた話である。

「–言論の自由を守るため、法の介入を防ぐために、メディア内で報道評議会をつくるべきだという意見についてはどうですか。

 それは僕もそう思う。権力との関係をきちんとするためには、自主規制をしながら言論の自由を守っていかなければならないと思っている。人権擁護法案にしろ、個人情報保護法案にしろ、なんでも理屈つけてくるわけだから、それに対抗しうるものが必要だよね。たとえばストーカーみたいな取材はしないとかね。ちょっと前の和歌山カレー事件。あのときだって、マスコミがワーッと押し寄せた。そんな取材が必要なのかと。そんなことをしていると、過剰取材だからメディアを規制せよという話につながっていく。カレー事件やるなら、お前らほかにやることがあるだろう、って僕はそう思って見ていた。

 それとは逆に、拉致帰国者の場合は統制され過ぎて報道協定ができている。地村保志さんの家族に『週刊朝日』が取材して記事にしたら、烈火のごとく怒られちゃった。それは逆に問題だと思うね。横並びじゃなくて、そういう自由競争は働くべきだと思う。今は極端になんでも集中しちゃう。福岡の一家四人殺害事件でも、いっせいに取材してる。

 メディア内でトラブルを解決することも重要なんじゃないかと思うね。訴訟する前に、第三者機関みたいなところで有識者たちがディスカッションしていく。言論活動を権力の介入から守るためには、そういうことも必要だと思う。」(『平成の芸能裁判大全』鹿砦社)

大槻義彦氏が、こうした企画の実現に積極的に関与しているという話は寡聞にして存じ上げない。

表現の自由を守りながら、公序良俗に反する報道を阻止するなら、こうした方向に力を貸したり音頭を取ったりしてもいいはずだし、「出版差し止め」以前に、そうしたはたらきかけを述べるのが筋だと思うがどうだろうか。

筆者が、ジャパンスケプティクスの「社会性」なる会の旗印を怪しみ、批判的なのは、こうしたことを自ら提唱したり、協力したりすることが一切ないからである。

社会と切り離された疑似科学批判に、いかなる意義と発展があるというのか。

いずれにしても、直接の被害者でもなければ、弁護士でもない大槻義彦氏が、科学者としてすべきことは、「科学」と「価値」を区別しながらも両立させる前提で、池内了氏の主張する立場(自由な討論の中で、何が正しいのかゆっくり詰め寄っていく)から解決に努力することではないのか。

ジャパンスケプティクス元副会長の大槻義彦氏は果たしてそれをやってきたのか、やってないだろう、というのが筆者の主張である。

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池内了氏は、「手っ取り早く結果を欲しがる」昨今の傾向を、オカルト・疑似科学「流行」の背景としてたびたび語っている。

大槻義彦氏の今回の咆哮は、むしろ国民をその方向に先導するものでしかない。

大槻義彦氏が役員に復帰したジャパンスケプティクスでは、繰り返すが池内了氏が「学問」「学者」としての立場を明確にしている。

筆者が知る限りでは、運営委員の平岡厚氏も、「表現の自由」に対して「権力の干渉」を懸念する発言をしたことがある。

前会長の安斎育郎氏も、おそらく国民の価値観や合意形成を重視する平和学者の立場から、言論の法規制については反対するだろう。

が、後の現役員にそうした発言をしたとの確認はとれていない。もちろん、発言していないから、大槻義彦氏と同じ意見ということにはならない。

ただ、少なくとも会長の松田卓也氏は、大槻義彦氏が書籍(『反オカルト講座』)で小泉的自己演出をしたくだりを、同会の機関紙に投稿した書評で評価している事実がある。

それは、ジャパンスケプティクスの機関誌バックナンバーにかかれているのでいつでも証拠を示せる。

いずれにしても、「非科学・反科学言論を法で規制すべきかどうか」という問題は、疑似科学批判のあり方の根幹にかかわるものだと思う。

同会は、一役員の個人的な主張であるからとせず、否定派・懐疑派を気取る人たちに”影響力のある”大槻義彦氏の発言をどう見るのか、大槻義彦氏から改めて真意を問いただし、揺れ動いている人々のために見解を述べて欲しい。

「仲間だから批判を手控える」という従来の了見では、いつまでたっても疑似科学批判陣営は進歩しない。

真面目なメディアは真面目な批判者を待っている

さて、筆者は来月、楽工社から、『健康情報・本当の話』という本を出していただく。書籍やサイト、テレビなどで紹介された健康食品や健康療法について批判的にとりあげたものである。

また、現時点では出版社名は明かせないが、夏ぐらいには、疑似科学全般に関連する書籍も上梓させていただく予定である。来月号の『紙の爆弾』には、大槻義彦氏インタビューについて書いた。

手元不如意ながらも駑馬に鞭打ち、まじめな仕事を積み重ねていけば「普通の人」にも表現の場を提供してくださる所はある、ということだ。

出版不況の時代であればなおさら、私たち疑似科学批判者はそれをありがたく思うと同時に、その期待に応えられるような胸をはれる仕事をしなければならない。

筆者のように愚直にやっている者からすると、大槻義彦氏が、と学会の「金もうけ」という絶妙の揶揄に怒る了見が理解できない。

大槻サン、自分だけが金もうけでないと言い張るのなら、ノーギャラでヤンなよ。

ちなみに、筆者は『紙の爆弾』の大槻義彦氏批判記事について原稿料を辞退した。

追記

著者の大槻義彦氏批判を、天羽優子氏は、「感情的」と唾棄している事実がある。

このブログでは、「大槻義彦」の文字列の入った記事はすべてタグとして登録した。つまり、「大槻義彦」という文字列を使った記事はワンクリックで一覧表示されるようになっている。

書いた記事をコソコソ隠していない、ということだ。

ぜひ、記事を真面目にご覧頂いた上で、ご批判はお願いしたい。

この件は、ジャパンスケプティクスの能力と度量が試されているのだ。

健康情報・本当の話

健康情報・本当の話

  • 作者: 草野 直樹
  • 出版社/メーカー: 楽工社
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 単行本

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