直腸がんの肝転移で手術する鳥越俊太郎氏に読んで欲しい本

   2015/03/03

直腸がんの肝転移
直腸がんの肝転移で話題になっているのは、『スーパーモーニング』(テレビ朝日系)のコメンテーター・鳥越俊太郎氏である。さる9日、番組で直腸がんが肝臓に転移したことを告白。「明日から、肝臓の手術のためにしばらく休ませて頂きます」と報告した。

鳥越俊太郎氏は2005年10月に直腸がんを手術。その時点でステージ4であり、医師からはがんが肺と肝臓に転移することを予測されていた。その通りがんは2007年に肺に転移。1月に切除していた。

『がん六回 人生全快』(朝日新聞社)という本の著者・関原健夫氏は、肺転移や肝転移で6年間に6回に及ぶ手術を経験し、完治にこぎつけた。

同書によると、大腸がんは肺や肝臓を通って全身に広がるので、フィルターである肝臓や肺の転移ならまだ助かるチャンスがあるという。

また、手術適応があるということは、治療できる範囲のがんであるということもいえる。

白血病や悪性リンパ腫と違い、腸の固形がんの化学療法は、治療というよりも臨床試験の意味合いが強い。手術できるのかどうかが予後に関わってくるのだ。

それと、同書で東京大学医学部の幕内雅敏、朝日新聞社前東京本社科学部長の内山幸男、国立がんセンター中央病院大腸科医長の森谷■(わかんむりの下に且)皓、国立がんセンター中央病院臨床検査部長の土屋了介の各氏は、現代の肝転移がん治療について、興味深いことを語っている。

幕内 肝臓の場合、最近始まった「ラジオ波焼灼法」というのはまだ長期のデータが十分に出ていません。アルコールでがんを殺す療法(エタノール療法)については、肝細胞がんは中身がおからみたいでアルコールが染みていくんですが、転移性の肝臓がんは硬くてアルコールが染みていかず、一般的に行われていません。エタノール療法のコントロールスタディー(無作為抽出試験)はまだ出ていないので、正確な判定はできないけれども、日本のナショナルスタディー(全国集計)ではだいたい一七ポイントぐらい五年生存率が低い。喪は言っています。

エタノール療法について内科の先生方が本質的に間違われているのは、がんを真ん中から殺そうとしていることです。がんに針を刺せば、抜いたときにがん細胞が周辺にバラバラと散ってしまい、根治率は低くなってしまう。リンパ節まで範囲を広げて囲い込む外科の発想とは違うわけです。

内山 抗がん剤の進歩は非常に遅いという印象がありますね。TNF(腫瘍壊死因子)が抗がん剤として使えるともてはやされたのに、実は効果がないばかりではなく副作用が大きかったという騒ぎがありました。その前にはインターフェロンもあった。インターフェロンとTNFの後、期待をもてるような抗がん剤は登場していません。

森谷 抗がん剤の効果は、どこに基準をおくかによってだいぶ違います。大腸では5FUという薬が三十年間大手を振って歩いてきましたが、今はそれに比べれば少し効く薬が出てきたとは思います。値段もずいぶん改善されてきました。ただ、治るか治らないかという物差しでは、なんとも言えない。人によって効果があるかどうかが本当に違う。

抗がん剤の諸問題

幕内 抗がん剤は、ごく短期間で終わってしまえばいいのですが、一回では完全に叩けないから繰り返し繰り返しやることになります。そうすると、一般の細菌が抗生物質に耐性をもつのと同じ分子メカニズムで、がん細胞も耐性をもつようになっていくんです。

森谷 薬を浸透させない種類のがんもありますね。

土屋 最終的にはがんも薬で治すことになるだろうとは思いますが、今はまだその理想とはまだかなり遠いところにあるというのが現実です。

腫瘍が硬いかどうかという話は、我々一般人はもちろんのこと、がんの専門家ではない医師でも知らないがんの臨床医ならではの話である。

いずれにしても、初発でステージ4だった鳥越俊太郎氏が第二の関原健夫になれるかどうか。がん患者を含めて多くの人が期待を込めて注目している。

がんと健康食品については、『健康情報・本当の話』(楽工社)に詳しく書かれている。

がん六回 人生全快 (講談社文庫)

がん六回 人生全快 (講談社文庫)

  • 作者: 関原 健夫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/12/15
  • メディア: 文庫

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