レーシック手術のリスクとオルソケラトロジー・オサート

   2015/04/24

オサート

レーシック手術のリスクとオルソケラトロジー・オサートについて書いてみよう。集団感染でリスクが取り沙汰されているレーシック手術について、三井メディカルクリニックの三井石根医師が「東京スポーツ」(2009年3月4日付)でコメントしている。

それによると、レーシック手術は、マイナス8D(レンズの屈折度)以上の人(つまり超強度の近視)は再近視化(再手術)のリスクがある、角膜が薄い人はできない、老眼の始まる40代以上の人は適さない、などの問題点があるという。

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レーシック手術については、水道橋博士が必死になって広告塔をつとめているが、そのリスクや不向きな場合などもきちんと示すべきであると、筆者は『健康情報・本当の話』(楽工社)で批判した。

ところで、三井石根医師といえば、シーシックとは異なるやり方で視力矯正を目指すオサートを行う医師である。

最近のマスコミでは、オルソケラトロジー、もしくはオサートという角膜矯正療法が、レーシックやイントラレーシックの置き換え治療の可能性を含めて期待されている。

北京オリンピックでメダルを取った女子レスリング選手が、オルソケラトロジーで視力を矯正したという話もしばしば報道される。

では、 オルソケラトロジー、もしくはオサートとは何か。

人間が物を見るときは、入ってくる光が眼球の水晶体を通って目の奥の網膜で結像する。それが近視の場合、焦点が網膜の手前で結ばれてしまうため、きちんと見えない。

そこで、入ってくる光を、いったん凹レンズを通して焦点を後退させることで、網膜上に結像させるようにするのが、メガネやコンタクトレンズの矯正法である。これは一般的に採用されている視力矯正だが、いわゆる「度が進む」ことは避けられず、コンタクトレンズは、付けたり外したりする作業や管理が面倒であることなども欠点とされている。メガネは割れることが、コンタクトレンズははずれることがあるため、どちらもスポーツ選手には不都合なことがある。

レーシックやイントラレーシックは、角膜中央部をレーザーで焼き、くぼんだ状態にして角膜に凹レンズの形状をつくるものである。手術も簡単でリスクは少ないとされるが、いったん焼いた角膜は元に戻らず、施術者によってはトラブルが起こる場合もある。また、角膜の屈折率が変わっているため、将来高齢になって起こりうる白内障の手術の際に苦労が伴う。

一方、オルソケラトロジーは、内側に特殊なカーブをもった専用コンタクトレンズをはめて自分の角膜全体を凹レンズ化させる。それを夜間着用することで、朝起きてはずしても角膜は型付け(凹レンズ化)が残り、日中は矯正された状態で過ごせる。レーシックのように角膜を焼きとるわけではないから、専用コンタクトレンズをやめればいずれ元に戻る。

近視の場合、焦点が網膜の手前で結ばれる
近視の場合、焦点が網膜の手前で結ばれる
写真:三井メディカルクリニック・パンフレットより

オサートのレンズで角膜を凹レンズ化する
オサートのレンズで角膜を凹レンズ化する
写真:三井メディカルクリニック・パンフレットより

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装着後、レンズを外しても型付けが残る
装着後、レンズを外しても型付けが残る
写真:三井メディカルクリニック・パンフレットより

このオルソケラトロジーを、より強度の近視や乱視、遠視、老眼などにも使えるように精密化したものとして、オサートが登場。最近はこちらも患者数が増えているという。

この矯正を行っているのは、三井メディカルクリニックという。さっそく問い合わせてみた。まず、一番肝心なこととして、この矯正で本当に裸眼で見えるようになるのか?という点を尋ねた。

同クリニックによると、現在、眼鏡などの矯正によりよく見える状態であれば、そのレベルまでは裸眼視力として見えてくる可能性はあるという。ただし、一気に視力が上がるわけではない。「例えば、視力0.03の方の場合、0.03→1.2と1段階で視力を向上させる事が治療の原理上出来ないため、0.03→0.1→0.6→1.2(3段階)と段階を踏んで行っていく治療」になるという。

つまり、数分ではっきりと結果が出るレーシックに比べると、成果を実感するのに時間がかかるということである。めやすとして、視力0.01の人が、矯正によって裸眼で車を運転できる可能性がある場合、それが実現するのは1年ぐらいかかるようだ。ここは病院側の説明だけでなく、体験者の話も聞きたいところである。

次に、レーシックの場合には、緑内障患者は禁忌ではないが、レーシックを行っても問題ないという診断書が必要とされている。しかし、通常の眼科はそもそもレーシックを推奨しておらず、そのような証明を発行してもらうには病院側の理解が必要である。

その点については、三井メディカルクリニックは、
・昨年4月より眼科専門医の医師も常勤しており、緑内障に対する検査も行えること
・矯正は眼圧を上げずに行えること
などから無問題としている。

もうひとつ、検討する人ならどうしても気になるのが治療費である。これは健康保険が効かず、レーシックのような外科手術でもないので医療保険の対象にもならない。つまり、費用は全額自分が払わなければならない。

初診料は2470円~3500円。レンズはオサートの場合で治療費込み両眼38万円、片眼27万円 (どちらも税別)である。同クリニックによると、カード払いが使え、「24回まで」という。1回あたり1万7000円ぐらいだろうか。これを高いと思うか適当と思うかは、それぞれの価値観によるが、いずれにしてもカードを使えるので、経済的な垣根は低いようだ。

ということで、結論として私は説明会に参加することにした。展開によっては、レポートをこの続編として書くかもしれない。

◆三井メディカルクリニック
http://www.ortho-k.co.jp/index.html

レーシックの問題点手については、『健康情報・本当の話』(楽工社)に詳しい。

健康情報・本当の話

健康情報・本当の話

  • 作者: 草野 直樹
  • 出版社/メーカー: 楽工社
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 単行本

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