整体師の有罪判決で思い出した2つの医療事件(2)ー謎の治療師

   2015/03/24

ハワード・ヤング

整体師というと、体の不調を治してくれる人というイメージがあるだろう。ただし、整体師には医師免許のような公的な免許はない。だから、整体師全体を絶対怪しいというつもりはないが、少なくとも怪しい整体師によるトラブルがあり得ることだけは確かである。ハワード・ヤングの事件などはそのひとつといえるだろう。

ダイエットだの、アンチエイジングだのに熱中しているアナタは、この事件をご存じだろうか。

かつて、『週刊文春』やワイドショーから「謎の治療師」といわれたハワード・ヤング。美空ひばり、高峰三枝子らを「治療」し、その死期を早めたのではないかと疑問視された人物である。

ハワード・ヤングの治療内容は、玄米おにぎりプラス特製茶による食事療法と腸のマッサージ。おにぎりといってもその大きさはゴルフボール大で、1日に食べる量は1個か2個である。

さらに特製茶には下剤として用いられるセンナが使用されており、飲むと数時間後には下痢を起こすというものだ。

1987年に両側大腿骨骨頭壊死と慢性肝炎で入院、退院後自宅療養を続けていた美空ひばりは、「どんな病気でも完全に治せる」というハワード・ヤングの言葉に、半信半疑ながらもこの絶食療法とも言える治療を取り入れる。

ところが、いったん60パーセントまで回復した肝臓の機能が10パーセント以下にまで悪化。再入院し医師団の治療を受けるが、1989年6月24日に死去している。

1990年5月27日、脳こうそくで急逝した高峰三枝子も、ハワード・ヤングの治療を受けていた一人だ。外出する時でも必ず特製茶をポットに入れて持ち歩いていたと言われる。

この死からまもなく、ハワード・ヤングは「謎の治療師」としてワイドショーなどで取り上げられるようになる。
『週刊文春』でも「謎の治療師ハワード・ヤングの正体」追求キャンペーンを1990年8月にスタート。ハワード・ヤングの無資格治療、無許可でのセンナの輸入・販売という薬事法違反、経歴詐称などを明らかにしていった。

高峰三枝子の死後、日本を去ったハワード・ヤングは、その後も観光ビザでの出入国を繰り返し、2002年12月にはクリニックを開院。2003年3月17日に出入国管理及び難民認定法違反(資格外活動)で逮捕されている。

なお、ハワード・ヤングを芸能人たちに紹介したのは芳村真理といわれる。芳村はそれを否定して『週刊文春』を提訴したが敗訴した。

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