【飲酒】すぐ顔が赤くなる人は悪酔いしない?

   2015/04/25

飲酒で顔が赤くなる

飲酒で、すぐ顔が赤くならないだろうか。一説には、すぐ顔が赤くなる人は悪酔いしないという話もあるが、それは全く逆である。赤くなる人は、むしろ体にダメージを与えているのだ。今回はそんな話である。どちらかというと、全く飲めない人よりは、多少は嗜む人にとって切実な話かもしれない。

「東京スポーツ」(2009年4月16日)までも取り上げたのが、3月下旬から取り沙汰されている次のニュースだ。


[シカゴ 23日 ロイター] 日米の研究チームが23日、多量のアルコールを飲んで顔が赤くなるアジア系の人々は、食道がんにかかるリスクが通常より高いという研究結果を発表した。
研究は米国立アルコール乱用・依存症研究所と久里浜アルコール症センターが実施し、論文をオープンアクセスの医学雑誌「PLoS Medicine」に掲載した。
日本人、中国人、韓国人の約3分の1が飲酒時に顔が赤くなる酵素欠乏症だが、この特質が、5年生存率が12~31%と致死的な食道がんの発病リスクを高めているという。
チームを率いた米国立アルコール乱用・依存症研究所のフィリップ・ブルックス氏は、少なくとも5億4000万人にこの特質があると推定している。

「PLoS Medicine」というのは、しばしば面白い論文が掲載されることで、ここのところ研究者の間でも注目されつつある雑誌らしい。

 日本酒やビールなどアルコールを飲むと、すぐ顔が赤くなる人が、日本人の場合約半分ぐらいいるそうだ。筆者もどちらかというとそうだが、たまにこう言われることがある。

「顔が赤くなる人は血流が良く、吸収したアルコールも早く抜けるから悪酔いしない」

一気飲みなど酒の飲み方を間違えると、顔が青くなることがある。それに比べれば、顔が赤くなることは健康的なイメージがあるのかも知れないが、真相は逆だ。顔が赤くなるのはお酒が弱い人。むしろ、代謝の速度が遅いから赤くなるのだ。

筑波大学の原田勝二准教授は、アルコールに強いか弱いかは、ALDHの一種であるALDH2をつくる遺伝子の型の違いが大きく関係しているという説を以前から主張していたので、とくに今回の報道は目新しいものではない。

このニュースでアルコールの消費量自体が顕著に減るということはないだろう。酒に弱い人が飲めば食道がんになりやすいといっているだけで、弱くない人への飲酒を危ぶんでいるわけではないからだ。もとより、こうした調査結果を知りながら飲むのは自己責任である。

ただ、ここのところ、「肺がん危険度アップ」(厚生労働省)、「脳が縮小する」(米マサチューセッツ州の研究チーム)など、「酒は体に悪い」という研究発表が続いている。

そうした「酒の真実」を解き明かしていくことは、未成年の飲酒や、「場の空気を気遣う」ため飲めない人の飲酒、一気飲みといった馬鹿げた飲酒の沙汰を撲滅する方向に対して、社会的な合意をより確かにするための根拠になりうるのではないだろうか。

健康情報は、『健康情報・本当の話』(楽工社)に詳しい。

健康情報・本当の話

健康情報・本当の話

  • 作者: 草野 直樹
  • 出版社/メーカー: 楽工社
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 単行本

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

この記事へのコメントはこちら

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「コメント送信」ボタンを押してください。