【育児】牛乳をたくさん飲むと母乳の出がよくなる?

   2015/04/26

授乳

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

育児についての常識は、時が経つと変わることがある。それが原因で、嫁と姑の対立につながるという笑えない展開もあるそうだからゆるがせにできない。その変化の原因は、医学や保健学の進歩とともに、食生活など文化や社会の価値観が変化する場合もある。

最近は、出産後の母親に対する食事指導もきめ細かくなってきた。

産婦人科には粉ミルクの業者が病院公認で出入りし、母親用のペプチドミルクを勧める。

ただ、それを飲んだからといって必ずしも全ての母親に母乳が出るわけではない。聞いたところによると、何とか母乳を出したい一心からか、若いお母さん方の間では「牛乳をたくさん飲めば母乳も出るようになる」などという説もまことしやかに伝わっているようだ。

ペプチドミルクで母乳を出せるのなら牛乳だっていいではないか、という理屈なのだろう。しかし、残念ながら牛乳は直接母乳にはつながらず、それどころか逆効果になる可能性すらある。

乳房は、血管に取り囲まれた乳腺房というたくさんの袋によって乳腺が構成されている。赤ちゃんが生まれると、母乳を作るプロラクチン、母乳を押し出す働きをするオキシトシンという2種類のホルモンが、お母さんの脳下垂体から分泌。乳腺房を取り囲む血管を流れる血液がそのホルモンによって母乳になる。

スポンサーリンク↓

母乳にはたんぱく質や白血球などが使われるが、赤血球は使われないため、母乳は血液と違い赤くならない。ホルモンは赤ちゃんが乳首を吸うことによって刺激され、赤ちゃんが何度も吸うことによってだんだん母乳が出てくるようになる。

つまり、母乳に必要なのはお母さんの血液とホルモン、そして赤ちゃん自身の乳首を吸う機会だ。

スポンサーリンク↓

ペプチドミルクも含めて、お母さんが食べた物は直接母乳になるわけではない。食品などの摂取で栄養を吸収する中から血液状態がよくなり、それが母乳の量と質に貢献するものだ。

もちろん、牛乳もその意味では直接母乳にはならなくても母乳の栄養源になる。ただ、現在の医学では、高脂肪の食品は母乳の質を悪くし、乳腺炎を引き起こす原因になるとされている。牛乳に限らず、洋食に多い肉や天ぷら・揚げ物など油を多く使ったものは避け、タンパク質は白身魚・貝類などから積極的に摂ることが勧められている。

今のお母さんのお母さん世代には、高カロリーがよしとされていた時代に生きてきた人もいる。たとえば昭和40年代は、現代に比べて国民の栄養状態は劣っていた。その当時を経験しているお母さんのお母さんは、母乳のために、あれを食べろ、これが体にいい、と善意で勧めてくるかもしれない。

医学の常識は、新しい真実の発見や社会情勢・食事情の変化で、今まで推奨されてきたことが一転して禁忌になってしまうこともめずらしくない。かつて育児を経験した年長者の知恵には敬意を払いながらも、年長者だからといって無原則にその人任せにしたり、遠慮したりせず、今現在の常識を確認して是々非々で対処することも母となった者の責務といえるだろう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

この記事へのコメントはこちら

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「コメント送信」ボタンを押してください。