西川史子氏・田嶋陽子氏の「虚」

   2015/04/27

西川史子

西川史子氏・田嶋陽子氏の「虚」というタイトルで書かせていただく。個人名をタイトルに掲げて真っ向斬りつけるような書き方は筆者は意外と少ないのだが、今回の方々は、政治家であったり、マスコミで名前を売る立場であったりするので、きちんと名前を出して論じてもいいだろう。

女医でタレントの西川史子婚約が報じられている。

タレントだからあえて書くが、筆者は西川史子が好きではない。

正直言って、筆者は西川史子のヘビ顔から発する暴言が生理的に耐えられなかった。

命を預かる医師を名乗る彼女が、時津風部屋の弟子殺人事件をテレビ番組で取り上げた時、こんなコメントを発している。

「格闘技だから、教育するとかって意味では、暴力(容認)ではないけど”しごき”っていうのは必要だと思うんですね」「(”しごき”の加減は)亡くなってみないとわからないじゃないですか」

コメンテーターの全員が一律に”正しい発言”をすることに違和感がある人にとって、西川史子のキャラはさぞかし面白く頼もしい存在だったろう。

しかし、西川史子が本当に医師免許を持っているのなら、この発言だけはまずいのではないか。

医師の治療は、その判断次第で、結果として患者を死亡させることだってある。

にもかかわらず、「亡くなってみないとわからないじゃないですか」などと公共の電波で「医師」が暢気にコメントする光景は、「未知の治療なら人が死んでも仕方ない」といわんばかりの医療倫理観が窺え、筆者には戦慄がはしった。

高須基仁氏は、姫井由美子氏という参議院議員に対し、こう苦言を呈している。

「学芸会のような虎退治劇で、自民党の片山虎之助前参院幹事長を破って当選したころまでは”姫の虎退治”はもてはやされた。ドタバタ劇の行き着く先は、姫井由美子議員の場合”半生記”の出版…。その上、私の商売の領域にまで入り込んできて、「撮り下ろし写真、収録」と表紙に書き込んだ。「ヌード写真か?」と錯覚させる”虚実ないまぜ”の出版マーケティングを展開中だ。
エンターテインメント界は、”虚”と”実”がさまざまに交じり合い、「面白い!」と世間に思わせることが真骨頂だ。しかし、政治や経済の世界では、「実・実」こそが求められる基本であって、決して「虚」とか「偽」があってはならない。とりわけ国会議員がワイドショー・バラエティー番組で大放言を繰り返す様はもうやめてほしい…、と心底思う。(『芸能通信簿』静岡新聞社)」

テレビ・コメンテーターの本職はさまざまだが、政治家だけでなく、医師、弁護士なども同じことが言えると思う。

少なくとも、医師の人命に関するコメントには「実」しかあり得ないだろう。

タレント西川史子は、面白キャラを演じているつもりだったのかも知れないが、医師として踏み越えてはならないものを踏み越えてしまったのだ。

こんな人命軽視のヘビ顔をありがたがってきたテレビ局も視聴者もどうかしている。

タレントは、これを機会に寿退職してほしいものだ。

そして、もうひとつ、テレビに出ている学者をどう見るか、ということについても触れておこう。

学者は医師や弁護士など”実務家”ではなく、直接私たちの暮らしの生殺与奪の鍵を握っている訳ではない。

しかし、近代社会の文化の象徴としての矜持はあってもいいのではないか。

にもかかわらず、田嶋陽子氏は、エンターテインメントを担いできた。

そして、疑似科学批判者の大槻義彦氏は、田嶋陽子氏と対決するというポジションでテレビに出ていた。

大槻義彦氏は、田嶋陽子氏なんかと一緒にするなと怒るだろう。

が、学者として「虚」を演じたという点では同じではないだろうか。

以前、心理学者の菊池聡氏が著書で大槻義彦氏の批判を行ったが、ジャパンスケプティクスの寿岳潤氏は大槻義彦をこうかばっていた。

大槻義彦氏のオカルト解明は不十分なものかも知れないが、それは物理学ではすでに解決済みのことなのだと。

しかし、その擁護の仕方はおかしいのではないだろうか。

何学で解決していようが、大槻義彦氏が学者として読者・視聴者に発言した事実に対して、菊池聡氏は指摘しているのだ。

だいいち、解決しているのに、それをきちんと示せないのは、物理学の名を汚すものにもなるのではないのか。

もっとも、寿岳潤氏が大槻義彦氏を絶対化しているかというとそうではなく、大槻義彦氏のタレントとしての立場にしばしば批判的な意見も述べていた。

なんだ、だったら菊池聡氏と同じ立場だと筆者は思ったが、要するに、物理学者が心理学者に科学のことでとやかく言われたくないという、物理学帝国主義がそういわせたのかな、という気もした。

それはともかく、話を戻すと、いくら出演者だからといって、現役の学者が「虚」を演じるべきかどうかという点について、やはり筆者は批判的な立場をとらざるをえない。

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