とうもろこしの進化

   2015/04/28

とうもろこし

とうもろこしの進化について書こう。鍋に水を入れ、皮をむいたとうもろこしを塩と一緒に入れ火にかける。湯が沸いて数分、黄色い実の色が濃くなり、つやつやと光ってきたらざるにあける。この時立ちのぼる湯気と独特の香りに、私はいつも夏の到来を感じている。

ゆでてよし、焼いてよし、サラダにスープに炊き込みご飯、さらにはお菓子まで、幅広く使われているとうもろこしだが、野菜として市民権を得たのは意外と遅く、昭和30年代だったようだ。

とうもろこしにはさまざまな品種があるが、最初に日本に持ち込まれたのはフリントコーンと言われるもので、あまり美味しいものではなく、家畜の餌として栽培されていたという。

そのあと、甘みのあるスイートコーン種の中でも甘みが強く栽培しやすいゴールデンクロスバンタム種がアメリカから導入され、採種体制が確立された昭和30年代中ごろから野菜として普及し始めたとされる。

昭和40年代に入ると、ハニーバンタムに代表されるスーパースイート種が輸入され、とうもろこしの人気は不動のものとなっていく。

私が子どもの頃はとうもろこしといえば、このハニーバンタムが主流だったように思うが、いつのまにかスーパーで見かけるのはピーターコーンばかりになり、気がついたらそれも消えて味来なんていう品種が並ぶようになっていた。

一体何種類のとうもろこしがあるのだろうと思っていたら、年々品種改良が進められ、より高糖度で食べやすいものが作られているのだという。

ちなみに、現在販売されている品種は、味来(みらい)、恵味(めぐみ)、ピクニックコーン、ゴールドラッシュ、ピュアホワイト、ミエルコーンなどなど……。

これらの品種はもちろんどれも甘いのだが、それ以外にもそれぞれに特徴がある。

たとえば、恵味は味来を品種改良したもので、味来に比べて実や皮が柔らかい。すっきりとした甘さを持ち、その甘みの低下が遅いため、収穫後ある程度時間が経っても美味しく食べられる。

ピクニックコーンは小ぶりで家庭用の鍋でも調理しやすく、少人数の家庭でも使いやすい。また、「冷たくされると甘いんです」のキャッチフレーズ通り、冷やして食べると美味しさがひきたつ。

茹でるか電子レンジで加熱したものを氷水にさらして手早く冷やし、ラップにくるんで冷蔵庫で保管すると3日程度はプリプリした食感が保てるという。

ゴールドラッシュは単に甘いだけでなく食味がよいと評判の品種。皮がとても柔らかく、歯にひっかかったり口の中に残ったりしにくいので食べやすい。早生種のためいくぶん小ぶりながらも、先端不稔がなく、安定した大きさで収穫できるとされる。

ピュアホワイトはその名の通り真っ白な粒の色とクリーミーな甘さが特徴。メロンと同等の糖度を持ち、フルーツ感覚で生食が可能である。

ミエルコーンはとうもろこしの中でもずばぬけた甘さを誇る品種で、市場にはまだあまり出回っていないため、ギフト用としても人気が高い。

ちなみに「ミエル」とはフランス語で「蜂蜜のような甘さ」の意味だというから、その糖度の高さは推して知るべし。これも生食可能な品種だ。

こうしてみると、どれも甲乙つけがたい魅力を感じる。
共通しているのは、高糖度で皮が柔らかく食べやすいという点のようだ。

しかし、いくら品種改良が進んでも、新鮮なものを新鮮なうちに食べなければせっかくの美味しさも半減してしまう。

そこで店頭におけるとうもろこしの選び方だが、毛が褐色または黒褐色で葉の緑が濃いものがいい。毛の色が濃いのは完熟している証拠であり、葉の緑の濃いのは新鮮だからだ。

そして買ってきたらすぐに茹でること。ラップにくるんで電子レンジで加熱してもよい。とにかく早く調理することだ。すぐに食べない場合は冷凍保存しておけばよい。

やむなく生のまま保存する際は、冷蔵庫の野菜ボックスに皮付きのまま立てておく。とうもろこしは自分で天に向かって立つ性質があり、寝かせておくと立とうとして自らの糖分を使ってしまうのだそうだ。

このため、一晩寝かせたとうもろこしと、立てて保存したものとでは、糖分に差がついてしまうのだという。

とうもろこしのおもな栄養成分は炭水化物。カロリーが高く、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンEのほか、銅、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルも含まれている。

エネルギーを補給し、身体の調子を整える効果が期待できるため、夏ばて解消にはうってつけだ。

とうもろこしの旬は7月から9月にかけての2ヶ月あまり。
美味しい品種を研究開発してくれた種苗会社と、栽培・収穫に汗を流してくれた農家の皆さんに感謝しながら、たくさんとうもろこしを食べてこの残暑を乗り切りたい。

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