統一協会の刑事的責任と疑似科学批判

   2015/04/30

統一協会の刑事的責任は認められるか?

統一協会の刑事的責任が話題になっている。東京地裁(秋葉康弘裁判長)で9月10日、世界基督教統一神霊協会(統一協会)のダミー組織で印鑑販売の会社「新世」と、同社社長および取締役の2名を被告人とする裁判が始まった。

起訴の対象となった事件(5件)は、「新世」の販売員が30代から60代の女性を運命鑑定と称して事務所に連れ込み、「あなたの先祖は武家で人殺し。因縁が深いからなたの夫も亡くなった」などと長時間にわたって説得。高額な印鑑を「因縁を払うことができる」と売りつけた典型的な霊感商法である。

これまでは、違法な伝道行為にあたるものについては、あくまで信者個人が暴走したものとして略式の罰金刑に応じて事件は終結していた。今回の裁判の争点は、宗教法人統一協会の責任を問う点が注目されている。

6月に、信者ら7人が特定商取引法違反(威迫・困惑)容疑で逮捕された際、統一協会の地域組織「南東京教区本部」を捜索したところ、「新世」の社長が以前、教区本部の運営部長の立場にあり、同社が顧客情報などを教区本部に報告していたことが明らかになった。

警視庁は、全国を12地域に分割した統一協会の地域組織の1つであるこの教区本部と、「新世」とは一体の関係だったとみて調べていた。冒頭陳述で明らかになったことについて、メディアは次のように報じている。

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「検察側は冒頭陳述で、新世が統一教会の組織を背景に、宗教活動として通行人を勧誘。電話や訪問で接触を続けて洗脳、信者にして販売員を増やしていたと指摘した」(「共同通信」9月11日配信)

「冒頭陳述によると、『新世』出資者3人と販売員約30人の全員が統一協会員で、統一協会南東京教区の「特別伝道部隊」として活動。印鑑購入者は判明分だけで331人、契約額2億3226万円。そのうち63人がフォーラムと称する講座に参加し、受講料282万6000円のほか4306万円を献金しています。」(「しんぶん赤旗」9月11日付)

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思えば、統一協会が社会的に問題になり始めてから、かなりの時間が経過している。にもかかわらず、やっと初めての刑事裁判というのはどうしてだろうか。

最初に報じたのは『週刊プレイボーイ』!?

統一協会について記事にしたのは、大衆紙では『週刊プレイボーイ』が一番早かったのではないだろうか。

ジャイアント馬場とブルーノ・サンマルチノの、インターナショナル選手権2連戦のどちらかの試合を報じた「東京スポーツ」の広告欄にそれが出ていたので、いずれにしても1968年だと思う。

ということは、もう40年越しの戦いになるわけだ。当時の『週刊プレイボーイ』は良い仕事をした。

マスコミの功罪をきちんと論考することもなしに、”特定の個人が傷つかない無難な批判”として「非科学性」をやり玉に挙げてマスコミ糾弾を行い、「理系ならそんなことはない」論を機関誌でしばしば主張する「批判」に筆者は心を痛めている。

少なくとも雑誌や夕刊紙には、国営放送や大手新聞にはない野心的な機動性、ゲリラ的な切り口がある。

結果として誤った仕事に結びついてしまうこともあるが、そのジャーナリズム精神自体は否定すべきではない。

「非科学」な記事があれば、その非科学性を指摘すればいいことで、いちいち「理系ならそんな間違いはしない」などという書き方を加えるのは、「思いこみ」以外の背景はあり得ない蛇足だ。

疑似科学批判に関わる方々は、そういう有害無益な「批判」をストンと胸に落とさないで大いに疑問を持って欲しい。

当時のトウスポはまだ10円だった。

駅の売店で目についた「馬場悶絶」という赤い見出しに馬場のことを心配した筆者は、1日分のお小遣いを払ってトウスポを買ったが、次の日もジャイアント馬場はリングに上がっていた(笑)

子供の小遣いまで巻き上げる「切り口」に対して、筆者は腹を立てるどころか、その詐術が何とも楽しくて、それ以降もずっとその新聞ともプロレスとも付き合ってきた。

科学的かどうかだけで全てを判断していたら、そういう興趣は生涯理解できないだろうな。

真の「理性」というのは、非科学を罵倒することではなく、科学の真実性と価値の普遍性を区別し、両立できる懐の深さを指すのだと思う。

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