「犬の日本脳炎」の報道で気になったこと

   2015/04/30

犬の日本脳炎

犬の日本脳炎について今回は書いてみたい。犬の日本脳炎自体は人にうつることはない。ただ、犬に感染させた蚊は、人に感染させる可能性はある、ということだ。その意味で、犬の日本脳炎も決して捨て置けない出来事なのである。

先日、日本脳炎の予防接種について書いたが、「アサヒコム」(2009年11月1日11時55分)に、こんな記事が出ていた。

飼い犬25%が日本脳炎に感染 媒介の蚊、人にも危険

全国の飼い犬の4匹に1匹が日本脳炎に感染しているとの調査結果を、山口大の前田健教授らがまとめた。豚から人や犬にウイルスを広げる蚊が、養豚場周辺から市街地まで飛んでいるためのようだ。犬から人には感染しないが、媒介する蚊が身の回りにいて、人への感染拡大の危険性を示すものとして、専門家は注意を呼びかけている。

西日本に多い日本脳炎は体内でウイルスが増える豚の血を吸った蚊を介して、人などに感染する。犬や人からは蚊を介しても人に感染しない。感染者の発病率は1%以下だが、重症化すると高熱、意識障害を起こす。脳症になると2?4割が死亡する。感染した犬が発症した例は報告されていない。

前田教授(獣医微生物学)らは06~07年に47都道府県の動物病院にかかった犬652匹の血液をとり、日本脳炎ウイルスの抗体ができているか調べた。その結果、25%に抗体があり、感染していた。

地域別では、四国が61%で最も多く、次いで九州が47%だった。ほかは中国26%、近畿23%、関東17%。市街地で24%、住宅地で21%の犬が感染、室外犬は45%、室内犬も8%が感染していた。

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ウイルスを運ぶコガタアカイエカは30キロ移動するため、豚の血を吸った蚊が都市部まで飛んでいるようだ。

ワクチンの集団接種により60年代に感染者は激減し、最近の感染者は年間数人しかいない。ワクチンの副反応による重症者が出たことで、05年に厚労省は接種を積極的に勧めることをやめ、現在は大半の子が受けていない。

感染で重症化すれば、効く抗ウイルス薬がないため、解熱剤で熱を抑え、炎症を抑える薬を使う。ワクチンは今年から、副反応が出にくいとされる新しいタイプも使えるようになった。

前田教授は「今後、ワクチンを打っていない子どもを中心に感染が広まる可能性もあり、警戒が必要だ」と話す。(坪谷英紀)


犬の日本脳炎が人にうつることはないが、犬に感染させた蚊が人に感染させる可能性はある、ということだ。
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しかし、蚊は雄・雌ともふだんは花の蜜、果物の汁、樹液などを餌としている。問題になっているコガタアカイエカはい行動半径も広いし、完全に蚊をガードすることは不可能だ。

それにしても、この報道、厚生労働省寄りではないか。

「今年から、副反応が出にくいとされる新しいタイプも使えるようになった」とあるが、これは「とされる」などと曖昧に書きながら推奨しており、フェアな書き方ではないと思う。

これまでのものは、以前から懐疑的な人が多く、2005年からは厚生労働省も「積極的な勧奨は行わない」としてきた。今回のものも「有効性・安全性が確立されていないため」「接種における積極的な勧奨は差し控えること」とされている。つまり、「新しいタイプ」についても厚労省は太鼓判を押しているわけではない。

そういったことを伝えないで、さもこれまでとは違うような書き方をさりげなく行っているこの報道は気にくわない。

新型インフルエンザの恐怖を煽りまくり、従来の季節性ワクチンまでドサクサ紛れに推奨、原則行わなかったはずの妊婦に対しても何の説明もなく「すべき」にひっくり返っているのと、やってることは同じではないのか。

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