乳酸菌と大豆イソフラボンの健康効果を考える

   2015/05/01

大豆イソフラボン

乳酸菌と大豆イソフラボンの日常的摂取が日本人女性の乳がんリスクを減らす、という研究結果が、アメリカで開かれた乳がんシンポジウムで発表され、話題になっている、というのは「日刊ゲンダイ」(2009年12月28日付)の記事だ。

まずは記事について引用する。

発表者は京大医学部付属病院の戸井雅和教授と東大大学院医学系研究科の大橋靖雄教授。戸井教授らは、40歳から55歳の日本人女性約1000人(早期乳がん患者306人含む)を対象に、10代初期、20代初期、現在から10?15年前の3時期におけるラクトバチルス・カゼイ・シロタ株や大豆イソフラボンを含む食品・飲料の摂取状況を調査した。
その結果、乳酸菌シロタ株の乳酸菌飲料を週4日以上飲んでいた女性は、週3日以下の女性に比べて、乳がんになる可能性が34%減少する可能性が示された。また、大豆製品をあまり食べない女性の中で、シロタ株を含む乳酸菌飲料を週4日以上飲んでいた人は、週3日以下の人よりも乳がんリスクが43%減少していた。
早期乳がん患者と比べ、乳がんになっていない人は、シロタ株を含む乳酸菌飲料や大豆が製品をより多く摂取していた。

こうした研究結果から、若いころからのシロタ株を含む乳酸菌飲料や大豆製品の摂取が、日本の中年女性における乳がんリスクを減らす可能性があるとしている。

スポンサーリンク↓

乳酸菌飲料メーカーが喜びそうな試験結果だ。

スポンサーリンク↓

ただ、医学の専門家は、この結果をあまり評価しないだろう。

理由は、この試験が、いわゆる「後ろ向き調査」だからだ。つまり、過去に振り返って考察するということだ。

松尾貴史先生が、やはり「日刊ゲンダイ」の連載で、歯磨きと健康の関係に言及。歯磨きすれば健康になるという試験結果に対して、健康に気を使う人は歯磨きをするから結果としてそうなるのではないかと述べていた。

それと同じで、交絡因子を排除しきれない試験は、どうしても学術的評価が低くなる。

ただ、それはあくまで、考察通りとは限らない、というだけで、その試験自体が嘘だ、無意味だ、ということではない。

松尾さんの件で言えば、歯磨きと健康にも十分可能性はある。

それを確実なものにするために、今度は「前向き調査」を引き続き行わなければならない。しかも、単なる「週何日飲んだか」という前向きではなく、いつ飲んだか、また血中濃度なども調べる試験が必要だろう。

いずれにしても、学術的に「答えを出す」というのは、時間と手間暇のかかることなのだ。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

この記事へのコメントはこちら

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「コメント送信」ボタンを押してください。