テレビの“健康ショー”番組の実験がまた問題に

   2015/05/04

テレビの“健康ショー”
テレビの“健康ショー”番組の実験がまた問題になったという話である。というのも、TBSが「過剰演出」で謝罪したそうだ。テレビのすべてがインチキというわけではないが、しょせん、特定の人間が特定の価値観で構成したものなのである。そのへんを忘れてはならない。マスコミに対してはスケプティクスな立場を忘れてはならないという話だ。

何はともあれ、報道を引用しよう。

<TBS>過剰演出で謝罪 「がっちりアカデミー!!」で
7月2日23時46分配信 毎日新聞

TBSは2日、6月18日に放送したバラエティー番組「がっちりアカデミー!!」の中で過剰な演出があったとして、番組内で謝罪した。
番組では、浅い眠りと深い眠りのどちらが目覚めがよいかを確かめるため、それぞれの眠りから目覚めた状態の番組スタッフに計算問題を解かせた。放送では、浅い眠りの結果が100点、深い眠りが40点だった。しかし100点は編集上必要な映像の撮影時に、ある程度目が覚めたスタッフが得た結果で、実際に眠りが浅い時のテスト結果は80点だった。制作担当者は「分かりやすく伝えられる」と判断し放送したという。
TBSは「このようなことが起きないよう、厳重な内容のチェックと確認を徹底したい」とコメントしている。
最終更新:7月2日23時46分


この手の「演出」批判は、拙著『健康情報・本当の話』(楽工社)でも書いた。

『ためしてガッテン』で、兵庫県尼崎市役所の職員4人が、3週間の「内臓脂肪の削減に挑戦する実験」に取り組み、1人のアディポネクチン値が増えた。他の3人は「変化なし」だったが、「これを持続していくとアディポネクチンがどんどん増えていく」(司会の立川志の輔)と結論づけられた。

ところが、実はアディポネクチン値が「変化なし」だった人たちはみんな下がっていた。NHKはそれを勝手に「誤差の範囲内」と言い募って「増えていく」という結論にした。アディポネクチン値と健康の関係を「分かりやすく伝えられる」と判断したからだ。

だが、そもそも健康状態を「アディポネクチン値」だけで見ようとすること自体に無理がある。

筆者は、「科学的な装いでそのようないい加減な結論を安易に発表する態度は、その時代の水準に基づいて客観性や再現性を追究し続ける、科学的手法の本来の地道さや厳格さと決して両立しません」と結論づけた。

もっとも、特定の数値で健康状態の推移を見るというのは、古典的な要素還元主義の「科学」的手法として、しばしば某タレント物理学者がやらかしてきた誤りであるが(笑)

テレビショー番組の簡単な「実験」で結論が出るなら、学者の論文も学会もいらないだろう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

この記事へのコメントはこちら

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「コメント送信」ボタンを押してください。