数字は万能か

   2015/02/14

数字
数字は万能か、という話です。さて、昨年5月26日、私は火災にあいました。現場は、住民票もなく登記上はたんなる「本店ではない作業場」なのですが、諸事情で数年前から住まい兼メインの仕事場になっていました。火災により、家財・什器はあっというまに全損出動した消防車・救急車は周辺の町の消防署までカラにして全20台。

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妻子3人が、私の目の前で意識不明の重体で救急車で搬送
うち一人はすでに心肺停止……

このときの私の精神状態
想像つきますか。

昔、損保会社に勤務していたとき
火災はその人の家系で400年に1回、と教わりましたが

400年といったら、もう孫の孫の代ですね。

でも実際にそこまでいっても
おそらく私の経験はなかなかできないでしょう。

「ニセ科学」批判をされている
知識自慢のみなさん

どうですか。
私の経験を確率で計算できますか。

きっと「できる」って、気色ばむでしょうね。
「火災にあう確率」×「家族が全員意識不明になる確率」
×「そのうち一人が心肺停止になる確率」……

計算はできるでしょうが、
そこに意味あると思いますか。

いや、防災に役立てるなど統計上のデータとして計算することは否定しません。
ただ、当事者に対する啓蒙の材料に使うものではない、と言っているのです。

たとえ何十万分の一の確率だろうが
経験した当事者にとっては「100%」なのですから。
わずかな確率と指摘されても話はかみ合いません。

「だからどうした。自分の経験は歴然とした事実だ」
としかいいようがないのです。

なぜ、こんなことを書くのか。

以前、
私が「超自然現象や疑似科学を調べる」という
掲示板を開いていたとき、
自分が「運が悪い」とボヤく書き込みがありました。

それに対して、「疑似科学否定派」気取り2名が
競馬や宝くじなどの確率を根拠に反論していました。
要するに、当たる人と外れる人がいるものだ
「いいこと」と「悪いこと」は客観的に説明がつく
だから、「運が悪い」という思いなどは「ニセ科学(の温床)」だというのです。

しかし、数字(確率)は事象を客観的に見たものであり
一方、「運が悪い」という思いは
その人の感じ方の問題ですから
価値意識の範疇にあるものです。

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客観的認識と、価値意識というのは別のものでしょう。
たんに「どう思うか」はその人の自由だということです。

私がそう反論すると、そのうちの1人は
「(私が反論するのは)文系と理系の考え方の差だ」
などと捨て台詞を書きこんで
掲示板から去っていきました。

要するに「理系の考え方」というのは
その人の主張に従えば、
すべてを数字(の大小や有無など)に
還元して結論付けるものらしい。

しかし、いずれにしても
なんでも専攻のせいにして、
自分の書き込みの批評から逃げてしまうのは
卑怯な態度だと私は思いました。

私の今回の例で言えば、私のような経験をしない人が
大多数なのに、なぜ自分はそんなすさまじい経験をするのか。
自分が「大多数」の中に入れなかったことを
「運が悪い」と表現したとして、
どこが「ニセ科学」なのでしょうか。

「ニセ科学」というのは、いうなれば
命題の真偽にかかわる事実から目をそむけたり
逆に本来の命題と論理的な整合性のない「事実」を強引に引っ張ってきたり
する主張です。

つまり、事実の取り扱いに誤りがあることをさします。

事実を否定するわけではなく、
自身の心の中でどう受け止めるかという点での
「表現」や「思い」に対して、そうしたレッテルを貼る必要はないし、

そういうレッテルを貼りたがる人に対しては、逆に
「何でも数字だけで判断したがる人」とトンデモぶりを
勘ぐることができます
(もちろん、運が悪いと落ち込む人をなぐさめる意図からなら、
そのような言い方もひとつの見識だと尊重する度量はありますが……)

昨年の「原発と放射性物質問題」で
大気や水の汚染について、「数字」だけを都合よく取り出し、
レントゲンやCTと比べた論理などは、まさにそのパターンです。

大槻義彦氏、東日本大震災コメントの問題点

その際たる勘違いが大槻義彦さんで、
あろうことか、レントゲンやCTではだめだ、
比べるならがん治療の放射線治療にしろと
例のごとく「らしい」暴論を述べていました。

安斎育郎さんが、青山繁晴氏の出演する番組で
そうした論法を批判されていたのは救われる思いでしたが、

紀藤正樹さんが以前言われていた
「(大学時代)何でも数式で答えが出ると思っている人(がいた)」
というのは、本当にある話なんだなあと、
改めて「理系の範囲でしか答えを出せない」立場に呆れました。

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