立花隆氏と「ニセ科学」

   2015/02/12

立花隆
立花隆氏と「ニセ科学」というタイトルです。つまり、立花隆氏について今回書きます。前回、週刊文春、というより文藝春秋社は、保守本流ではない政治家や政治勢力に対しては白のものを黒にするような論理を使っても叩き潰すと書きました。そして例として、「田中角栄の研究」「日本共産党の研究」等を挙げましたがそれを書いたのは、ともに立花隆というルポライターでした。

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「田中角栄の研究」で、
体制側の有力者の批判をした人が、
返す刀で日本共産党を批判したということで、

立花隆氏は、右も左も斬る本格派のジャーナリストではないかと
一部で評価されました。

が、すでに書いたように、「右も左も叩く」ということ自体、
その本音がどこにあるのか、ということは注意深く見なければなりませんし、
肝心なのは「叩き方」についてです。

「田中角栄の研究」「日本共産党の研究」のいずれもが、
公安資料をまとめたルポに過ぎない、と指摘されていることは
すでにご存知の方もおられるようですが、

それだけでなく、前回引用した松浦総三氏によれば、立花隆氏の「研究」は
「戦前・戦中の特高がどんなものであるか、何ひとつわかっていない」
(『ジャーナリストとマスコミ』大月書店)と具体的に言及しています。

なぜ「何ひとつわかっていない」のでしょうか。

つまり、一方の側のありネタだけでまとめたから、
すべき裏づけ取材ができていない、ということです。

立花隆氏については、一部で「知の巨人」などと
歯の浮くような褒めちぎりを述べています。

が、私は、
立花隆氏については、もっと的確に

手馴れたアンカーマン

という評価をしています。
それ以上でもそれ以下でもないと思います

アンカーマンの能力と懐疑的発想のセンスは別物である

アンカーマン、とは何でしょうか。

芸能リポーターだった
故・梨元勝さんの前職は「ヤングレディ記者」ということに
なっていますが、「記者」の部分を正確に言うと、「データマン」です。

取材や調査をして、そのリポートを編集部にあげ、
アンカーマンがそのデータ原稿を記事にまとめるのです。

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ですから、「ヤングレディ」に
梨元勝さんの署名原稿はなかったと思います。

で、当時の同誌のアンカーマンというのが、
立花隆氏や小中陽太郎氏でした。

アンカーマンは、取材力ではなく、
存在するデータを記事にまとめる
能力にすぐれた人に適した仕事です。

つまり、立花隆氏というのは、
存在する情報をまとめる能力で
身過ぎ世過ぎしてきたルポライターではないかと思います。

それが、「知の巨人」という呼び方にふさわしい能力かどうか、
私ごときにはわかりません。

もとより、アンカーマンという立場をとやかく言おうなんて
大それたことを私は考えていません。

ただ、少なくともいえることは、
「在る」情報で構成する以上、
見えないウラに対する懐疑的発想から
自らの足で根拠を固めて構成する、という記事作りとは縁遠くなります。

「田中角栄の研究」「日本共産党の研究」その他の読み物について
私個人の具体的な論評はしませんが、

いずれにしても、立花隆氏については
「知の巨人」であろうがなかろうが、
またルポライターとしての一般的な評価はともかくとして
少なくとも、懐疑者という評価にふさわしいかどうか
という点については、慎重に検証すべきであると思います。

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