皮肉は認知症リスク?懐疑的精神を上手に発揮する

 

皮肉は認知症リスク?懐疑的精神を上手に発揮する
皮肉は認知症リスクがあるという記事が話題になっている。『日刊ゲンダイ』(2017年2月22日付)では、「皮肉屋はボケやすい 脳の活性化促す「笑い」でリスク回避」というタイトルで、脳と皮肉の関係について書かれている。スケプティクス(懐疑的)な視点からいつものように見ていこう。

1980年代のツービート以来だろうか。毒舌キャラトークのタレントが売れている。

最近では、有吉弘行、マツコ・デラックス、坂上忍といったところか。

少し前なら、“ご意見番”と称して、美川憲一や和田アキ子がありがたがられていたが、最近は松本人志がその役どころを担っているようだ。

その人々に共通するのは、毒舌、皮肉、批判……、とにかく、個性的な発言である。

彼らの知名度も去ることながら、いや、その知名度だからこそともいえる、独自の意見をメディアは使いたいようである。

しかし、そうした“個性的発言”は脳に良くない、という話である。

すでに同紙の公式サイトで公開されているので、関心のある方は読まれたい。

皮肉屋はボケやすい 脳の活性化促す「笑い」でリスク回避
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/199998

要するに、毒舌キャラタレントのシニカルなトークは、その能力だけを使うから、その行為が脳にダメージを与えているという話である。

“皮肉思考”は、認知症の発症に関わることが明らかになっています。毒舌やブラックジョークのように、誰かを陥れようとする笑い(悪口)は脳の活性化にはつながらず、脳の一部だけを酷使した状態になる。結果、脳の働きを低下させて認知症につながる、と考えられます(医師で医療ジャーナリストの森田豊氏)

2014年のイースト・フィンランド大の研究では、平均71歳の高齢者男女1449人を対象に、考え方が皮肉っぽい人と認知症の発症率を8.4年の追跡調査で調べた所、考え方が皮肉っぽい人は、そうでない人に比べて認知症が3倍発症しやすいことが分かったというのだ。

これまでにも、笑いはNK細胞を活性化させる「抗がん作用」があるといわれてきた。

人を呪わば穴2つといって、他者に対してネガティブな考えかたをするのは、自分のためにもならないといわれてきた。

もっとも、それらと病気との関係でいえば、因果関係がはっきりしていたわけではなかった。

病気はカラダの問題で、心というのが直接結びつきにくいというイメージもあった。

一方、認知症というのは脳、つまり心とより密接につながっている。

そのため、非常にリアリティを持って受け止められる調査結果である。

批判精神プラス笑いの精神を

しかし、悪口はともかく、「皮肉」というのは、批判精神、懐疑的精神という、本来思考を深め、真実に肉薄するために必要な視点なしには創造できない高度な精神活動のはずである。

とくに、スケプティクス(懐疑的思考)とは、表に出ている事実から、裏の真実を読み取らなければならない。

それは、たしかに脳を酷使しそうな作業である。

では、認知症のリスクを避けるために、もうスケプティクスから足は洗ったほうがいいのか。

いや、それは早計な結論である。

同紙では、こう続けている。

「同じ不満を吐き出すにしても、みんなが不快な思いをせず、笑える例え話に変換しようとする行為は、脳全体を活性化します。毒舌ではなく、笑えるツッコミに置き換えるようにする。それを習慣づけることで、リスクを回避できますよ」(森田豊氏)

懐疑的精神に加えて、笑い話に再構成することも加えればいいそうである。

まあ、それで本当に回避できるのかどうかはわからないが、いずれにしても、世間に無原則に迎合するのではなく、「みんなはこう言ってるけど、本当にそうだろうか。ここのところはこんな見方もあるんじゃないか」という視点は持てるようにしたいものである。

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