視覚障がい者、支援学校、白杖を頭上50㎝程度に掲げるSOS

 

視覚障がい者、支援学校、白杖を頭上50㎝程度に掲げるSOS
視覚障がい者。視機能が日常生活や就労などの場で不自由を強いられる弱視者、盲者のことをさす。平成18年現在で31万人という統計がある。これは、5年ごとの調査のたびに増えている。スケプティクス(懐疑的)の立場からいつも記事を書いているが、今回は真正面から視覚障がい者について書いておく。

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先日、東京に5校ある視覚障害者支援学校のひとつである、久我山青光学園を見学した。

久我山青光学園

久我山青光学園は、我が国で初めて、視覚障害教育部門と知的障害教育部門を併置した特別支援学校として、平成22年に開校した新しい学校である。

久我山青光学園の視覚障害教育部門には、幼稚部、小学部、中学部とで構成されている。

クラスは、普通学級と重度・重複学級とに別れている。

視覚障害自体は、視覚「のみ」の障害であるから、知的水準は普通級とかわりない。

障害者は、すべてにおいて健常者より劣ると考えるのは大きな間違いである。

ただ、大きな画面で学習できるタッチパネル式の電子黒板や、紙を目の位置に近づけて読み書きができる書見台、文字や図が大きい教科書、点字タイプライターなど、教材に独自の工夫がされている点が健常者と違う点である。

久我山青光学園

久我山青光学園

久我山青光学園
以上、学校案内より

視覚障がい者の行為には、健常者にはわからない、だけれども健常者が知っておくべきことある。

白杖を視覚障害者がコツコツ叩く理由

白杖を、視覚障害者がコツコツ叩いて歩く。

あれはどうしてかおわかりだろうか。

「トントンうるさい」とか、「あれが足に引っかかり転びそうになる」とか、時折文句を並べてる者もいるがもとんでもない。

視覚障がい者は、周囲に視覚障害者である自分を知ってもらうため、白杖で点字ブロックをたたいて音を出すようにしているのである。

つまり、あれは自分のためではなく、他者(非視覚障がい者)に対するはたらきかけなのである。

もちろん、視覚障がい者自身が、自分の歩くところを確認する作業でもある。

たとえば、階段では、白杖を前後に振ることで、前に段があるかどうかを確認して登るのである。

音がしなければそこで階段は終わり、というわけだ。

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では、白杖を50cmほど頭上に掲げたらどうだろうか。

白杖を叩くのではなく頭上50㎝程度に掲げたら

白杖を50cmほど頭上に掲げたら

視覚障害者が白杖を頭上50㎝程度に掲げるのは、何らかのSOSのサインである。

実は視覚障がい者自身にもあまりよく知られていない、この『白杖SOS』のサインは、2015年5月の岐阜新聞で紹介されている。

2015年5月の岐阜新聞

たとえば、視覚障がい者がSOSを求めて声を出しても、雑踏の中で気づいてもらえない可能性である。

そこで、福岡県盲人協会が1977年に白杖を掲げることを考案した。

しかし、それを周囲の人が知らなければ、いくら白杖を掲げても誰も助けてくれない。

それには、まず非視覚障害者に、「視覚障害者が白杖を頭上50㎝程度に掲げるのは何らかのSOSのサイン」であることを知ってもらおうと、イラストで表現したマークが考案された。

視覚障害者が白杖を頭上50㎝程度に掲げるのは何らかのSOSのサイン

2015年の岐阜新聞にも出ている。

だが、一部の視覚障がい者は、それに賛成していない。

白杖を掲げる行為は危ない行為になってしまう場合がある。視覚障がい者が、SOSのときは必ず白杖を掲げなければならないと誤認してしまうなどと述べている。

だから、その人々は、「視覚障害者が白杖を頭上50㎝程度に掲げるのは何らかのSOSのサイン」であることを知りましょう、と広めている非視覚障害者をも批判する。

しかし、非視覚障がい者の「広める」側に言うのはおかしい。

それを考案したり提案したりしたのは、視覚障がい者の側であり、非視覚障害者は、「そう決まったのなら心得ておきましょう」としているだけである。

しかも、すでにマークができ、メディアでとり上げられている以上、視覚障がい者の中には、白杖を頭上50㎝程度に掲げる行為を実際に行っている人もいるはずだ。

現実にその取り決めが生きて流布されている以上、非障害者側は何はともあれ、「視覚障害者が白杖を頭上50㎝程度に掲げるのは何らかのSOSのサイン」であることを知っておいたほうがいいのは当然である。

そうでになければ、白杖を頭上50㎝程度に掲げる行為に応えてあげられない。

もしそのことによって、何か禍根を残す大事に至ったらどうするのか。

その行為が撤回されない限りは、非視覚障がい者の側は一人でも多くの人が、そのふるまいの意味を知ることが、少なくとも白杖を頭上50㎝程度に掲げる行為を実際に行っている視覚障がい者のためになるのではないだろうか。
白杖を頭上50㎝程度に掲げる視覚障害者を見かけたら、素通りせずに寄り添う思いやりを持ちたいものである。

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