死んでから爪や髪やヒゲが伸びるというオカルト話

 

死んでから爪や髪やヒゲが伸びるというオカルト話
『死んでから爪や髪が伸びる』という怪談話を聞くことがあるだろう。そうかと思うと、喜劇などで、いったん死んだ人が生き返る、なんてストーリーもある。だが、どちらもスケプティクス(懐疑的)に考えれば本来ありえない話である。この件について今日は書いてみよう。

『日刊ゲンダイ』(2017年3月28日付)では、「肉体は死後どのように変化するのか」というコラムが掲載されている。

そのご紹介の前に、冒頭の話をもう少し続けよう。

人が亡くなれば、生命活動する必要がなくなる。

そこで、残ったエネルギーが、髪や爪や髭などの成長に向けられるのではないか、というふうに考えられているのかもしれない。

しかし、死ぬということは、すべての細胞が生命活動をしないのだから、そんなことはありえないのだ。

中には、伸びているように見える場合もあるかもしれない。

死亡して、体から水分が失われることで、肌などの柔らかい組織は縮む。

そのため、爪や髪やヒゲなど露出している部分が増えるので、あたかも伸びたように見えるだけに過ぎない。

また、いったん死んだ人間が生き返るというのはどうだろう。

死んで、精神が肉体から遊離するが、精神が戻れば生命も復活するのではないか、という考え方があるらしい。

これも、ありえない話である。

細胞は、いったん死んだらそれっきりである。

不可逆的であり、いったん死んだ細胞がまた生き返るということはあり得ない。

だったら、脳卒中の人たちが、生還できても、身体や脳に不自由な後遺症が残るのはどうしてか。

脳卒中の時点で、脳細胞の一部が死んだからである。

死んだ脳細胞は、元には戻らない。

不可逆的に臓器の活動が停止

前置きが長くなったが、『日刊ゲンダイ』(2017年3月28日付)の、「肉体は死後どのように変化するのか」から引用する。

一般的には、心停止が起こると、脳細胞がだいたい4分ほどで不可逆的な変化を起こすと書かれている。

血流が途絶えれば、体の隅々まで行き届いていた酸素も流れなくなり、体中にある臓器の活動が停止する。

その後、組織をつくっている細胞が死減して、完全に生命を閉じることになるという。

お通夜から葬式までの間、亡くなった人の亡骸は棺桶に入ったままである。

遺族は、肉体がある以上、もしかしたら、息を吹き返してくれるのではないか、ということを心の何処かで思っているかもしれない。

しかし、それはありえない話なのだ。

もはや、生きている時の肉体とは別物、まさに亡骸でしかないのである。

ちなみに、死後硬直は、死後24~48時間続くという。

スケプティクスに考えるということは、切ないことである。

死んだ後には続きがあるのか 臨死体験と意識の科学の最前線

死んだ後には続きがあるのか 臨死体験と意識の科学の最前線

  • 作者: エリコ・ロウ
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2016/09/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

この記事へのコメントはこちら

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「コメント送信」ボタンを押してください。