リンゴ医者いらず、その真相が明らかに

 

リンゴ医者いらず
リンゴは健康にいい、リンゴを食べたら医者いらずである、といわれることがある。しかし、同じ果物でみかんもそう言われることがある。果物で簡単に「医者いらず」になるのならそれに超したことはないが、庶民では絶対に手に入らない、というほど高価でもないそれらがあっても「医者いらず」にはなっていない。

では学問的に、その真相はどうなのか。『日刊ゲンダイ』(6月12日付)の新企画連載「オモシロ医学論文」では、薬剤師の青島周一氏がそのテーマで書いている。

リンゴは医者いらずの真実

青島周一氏はまず、「1日1個のリンゴ、医者いらず」というイギリスの格言を紹介。「もし本当ならリンゴを毎日食べれば医療費削減につながるかもしれ」ないという前振りで、米国医師会の内科専門誌2015年5月1日号の報告を紹介している。

それによると、18歳以上の8399人(平均47.2歳、女性50.9%)を対象に、リンゴを毎日149グラム(直径が7センチの小さなリンゴに相当)以上摂取している753人と、リンゴの摂取がない7646人を、横断的に調査。

自己申告で、過去1年間における医師への受診が1回以下の人(「医者いらず」の人)は毎日リンゴを摂取した人たちでは39.0%、リンゴの摂取がない人たちでは33.9%で、毎日リンゴを摂取した人たちの数字が上回った。

しかし、社会人口学的特性や、喫煙、BMI(肥満指数)など健康状態に関する特性で調整した結果は、両群には明確な差は見られなかったという。

つまり、「リンゴで医者いらず」という事実は示されなかったということである。

ただ、薬の処方については、リンゴを毎日食べていた人たちの方が少なかったという。

医者いらずというほど顕著ではないが、薬の使用などを減らす効果はあるかもしれない、ということだろうか。

青島周一氏は、「あえて格言にするなら」という断りを入れた上で、「『1日1個のリンゴ、薬剤師いらず』ということになるのでしょう」と結んでいる。

習慣としても「話半分」程度

このリンゴの医者いらず問題については、以前、やはり同紙に連載を持っていた医師、石原藤樹氏がブログで取り上げている。

リンゴは医者いらず、は本当か?
http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2015-04-21

石原藤樹氏は、「おそらく、1日1個のリンゴを食する習慣が、健康に悪いとする論文は、1つも存在はしていないと思います」「それだけで著明な効果、ということも考え難いのですが、若干良いよ、というくらいのデータは、山のように存在しています」と肯定的に説明。

リンゴの健康効果として、「リンゴはコレステロールの吸収を低下させ、心血管疾患のリスクを下げ、体重を減らし、神経疾患や癌、気管支喘息も予防します」と書いている。

そして、青島周一氏と同じデータ(2013年のBritish Medical Journal誌に、コレステロール降下剤で動脈硬化性疾患を予防するスタチンと、その代わりにリンゴ1個を直接比較する論文)を紹介。

やはり同じような結論になっているが、「習慣として心掛けて悪くない」が、「こうしたものは、話半分で聞いて頂くのが良いように思います」と慎重にまとめている。

補完代替療法の効果、安全性、信頼性を見極める方法は?

健康情報フローチャート

健康情報を信頼するフローチャートとしては、ステップ3ということである。

まあ、「習慣として心掛けて悪くない」ことであるし、リンゴが嫌いでなければ、スナック菓子や飲酒を控えてそちらにシフトするのはいいかもしれない。

健康情報・本当の話

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  • 作者: 草野 直樹
  • 出版社/メーカー: 楽工社
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 単行本

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