障害者を取り巻くデリケートな考え方、誤解について

 


障害者について、近年その人権を考慮する方向に社会は発展しつつあると思う。しかし、まだまだ問題点はある。それを解決するには、まず、障害者やその親がどんなことについてどう考えているのかを知る必要がある。いつものようにスケプティクス(懐疑的)な視点をもってその点、考えてみる。

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障害者と健常者では、立場が違うため、見方が異なる場合がある。

これは誰でも想像がつく。

しかし、障害者全体が同じ意見かというと、決してそうではない。

その点も踏まえて、以下のことを考えて欲しい。

障害者と書くべきか障がい者と書くべきか

先天性右前腕欠損症のパラリンピック水泳選手・一ノ瀬レイが、テレビ番組で「障害の文字をひらがなにするのが嫌い」と発言して、多くの人が共感したことがあった。

「障害の文字をひらがなにするのが嫌い」 パラ水泳『一ノ瀬メイ』の持論に深く納得

「障害の文字をひらがなにするのが嫌い」 パラ水泳『一ノ瀬メイ』の持論に深く納得


障害の『害』が、ひらがななのが嫌い。
害やからよくないやろ、でひらがなにする。
私からしたら腕がないのが障害なんじゃなくて、それを持って生きていく社会が害。
私からしたら障害は本人じゃなく社会やから、ひらがなに直して勝手に消さんといてほしい。

これで、ネット民の一部は一ノ瀬レイに快哉を叫んだ。

だが、障害者のすべてが、一ノ瀬レイに賛成しているかというと、必ずしもそうではない。

このニュースがネットで話題になった時、上記サイトにはこんなコメントが入った。

「社会が自分の害になっているってのは自分の障害をまだ受容できていないんじゃない?思ってしまう。生きていく上で不自由なのは純然たる事実だし、それは自分の障害のせいなんだよ。障害者はあくまでもマイノリティなんだから、出来ないことは諦めるってのも必要。障害は個性なんて言い訳もちょっとムカつく。」

どちらの意見も一理ある。

要するに、「障害者と書くべきか障がい者と書くべきか」という問題は、主観の問題にすぎない。

障がい者の問題は、本質はそこでないのである。

障がい者は天使か

発達障害の息子さんをもつ立石美津子さんの連載である。

障害児は天使? 「言う側」と「受け止める側」の温度差
http://woman.excite.co.jp/article/child/rid_ItMama_50887/

障害者に対しては、「障害児は神様が与えてくれた天使」「親を選んでやってくる」といった言い方があるけれども、障害者の親に対して、善意やなぐさめのつもりで軽々しくそんなこと言わないでくれ、ということが書かれている。

言っている方は、悪気はない。

それどころか、障害者を美しく捉えている私ってなんて素敵なんでしょ、というジコマンに満ちている。

が、それはやめた方が良いだろう。

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これは、おそらくはほとんどの障害者の親が一致した意見である。

障害者の親御さん自身がそう思うのならともかく、第三者が善意のつもりで軽々しく言ってはならない。

いいかな。

精神や知的な障害を伴うお子さんがいる家庭では、家庭が崩壊してしまう場合があるほど、子育ては大変なのである。

立石美津子さんでなくても、「知りもしないで綺麗事言わないで」と思うのは当然である。

筆者に言わせれば、「障害児は天使」という言い方は、「がんになってありがとう」とか、「神は乗り越えられる試練しか与えない」といったタグイの、他者から言われると腹が立つ無意味有害な綺麗事でしかない。

障害者は自分を不幸せと思っているのか?

ネットでは、高齢出産が激しく叩かれる。

まあ理由は、嫉妬だろう。

しかし、そこにはもっともらしい理由がつく。

高齢出産はダウン症など染色体異常の確率が高くなる。

障害児が生まれたらその子がかわいそうだ……

という言い分である。

だがね

そういうお前、実際に障がい児にヒアリングして統計とったのか?

その言い分は、間違いといっていいだろう。

障害者の施設に行けば、障害児は決して不幸と思ってはないことがわかる。

薄汚い野心をもち、口汚い悪口ばかり言っている健常者は、強欲から自分に不満を持ち不幸だと思うだろうがね。

ただし、障害児が悩みなく過ごすその背後では、ボロボロになって彼らを見守る親御さんがいる。

これも事実である。

この点については、一部、おかしな障害者の親御さんもいる。

曰く、

「いえ、障害児の子育てが大変なんてそんなことはない。そんな人は健常児でもグレさせてしまうだろう」

これは、Facebookの、ある障害者グループで実際に投稿された、障害者の親御さんによる強弁だ。

冗談じゃない。

健常児と障害児では、育てる苦労の次元が全く違う。

その親御さんも、それは承知かも知れないが、認めてしまったら障害児を悪く言う言い方だと思っているのかもしれない。

だが、何でも障害者を美化するのは差別の裏返しである。

美化もせず蔑みもせず、普通でいいのである。

『どですかでん』という黒澤明監督の作品があるが、そこに出てくる主人公のロクちゃんは知的障害者である。

川の向こうの健常者からは石を投げられるが、彼の住む集落では、そんなことはしない。

かといって、腫れ物に触るように気を使うかといえはそんなこともない。

奇声を発しようが、とくに気にしない。

黒澤明監督の、障害者に対する考え方がよくわかる作品である。

障害者を取り巻くデリケートな考え方、誤解について。

気がついたことがあったら、また続編を書こう。

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  • 発売日: 2016/12/06
  • メディア: 新書

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