小選挙区比例代表並立制を見直したがる議員

   2015/01/23

国会議事堂
小選挙区比例代表並立制を見直したがるマッチポンプの議員たちがかまびすしい。民主党・渡部恒三最高顧問や自民党・加藤紘一元幹事長らが、衆議院に中選挙区制の復活を目指す超党派の議員連盟「小選挙区制度を考える会」を発足させることが報じられている。この件をスケプティクスの立場から考えてみよう。

その中には、公明党やたちあがれ日本の議員も参加するというが、マッチポンプもいい加減にしろよ、というのが当時を知る有権者の感想だろう。

衆議院の小選挙区制というのは、93年に「二大政党」制と一体になって企図されたものであり、参議院で否決されたにもかかわらず、土井たか子議長と河野洋平・自民党総裁、細川護煕・日本新党代表の三者による猿芝居で無理やり決めたものだ。

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今回、復活を目指すとされる渡部恒三は、当時の自民党・梶山静六幹事長が、決まるはずのないことがわかりきっていた単純小選挙区制を総務会で決めたとき(要するに自民党は小選挙区制に賛成ではなかった)、怒り狂って宮沢喜一内閣の不信任案に賛成して自民党を離党した。

つまり、こんにちの小選挙区比例代表並立制を押し通した張本人の一人である。

いまさら、どの面下げて「見直し」の発起人として名前を出せるのだろう。この18年の自己批判というのはないのだろうか。福島の原発誘致といい、こんないい加減な政治家を当選させてきた民度は厳しく問われなければなるまい。

加藤紘一はどうか。小選挙区制導入を声高に叫んだことはなかったが、「(小選挙区制で)1、2回やらせてみよう」と、消極的に渡部恒三らの立場を認めた責任がある。「1回やらせてみよう」がいかに無責任な場当たり主義かは、こんにちの民主党政権の失敗で明らかではないのか。

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オブザーバー参加とやらの、たちあがれ日本の園田博之はどうか。当時、「政治改革」という看板を掲げた勉強会が自民党内でも盛んに開かれていたが、その中の1、2回生の10人の議員が、内閣不信任案には反対したものの、その日のうちに離党して新党さきがけを結党。細川護煕や渡部恒三らの勢力とともに小選挙区比例代表並立制導入に突っ走った事実を有権者は忘れていない。

渡部恒三に限らず、小選挙区比例代表並立制を持ち込んだ連中が、マッチポンプで「見直し」などといい始めているだけで、要するに、たんなる政局好きに過ぎないのではないか。政治的一大事のときに、いつも関係者になっていたい自己顕示欲のかたまりのような連中である。

小選挙区比例代表並立制が、今更「死票が多い」「議席占有率と得票率に乖離がある」などといわれているが、そんなこと、当時から言われていたことだろう。

わざわざ今、それを蒸し返すのはどういうことか。

おそらく、小選挙区比例代表並立制で(当時の)代表と幹事長を落選させ、現制度ではかつての議席回復が見込めない公明党の立場をおもんぱかることで、政界再編なるものを狙っているのではないか。

ガラガラポンをやりたがるのは、国民的に重大な法案でも控えているのだろう。さて、なんだろうか、憲法改正か?

いずれにしても、小選挙区比例代表並立制の矛盾は、「見直し」論者の意図や自覚に関わらず、いわれているとおりである。中選挙区制が、民意をより反映するものであることも確かだ。

ただ、その前に、当時、同制度を時代的役割を終えたかのように言っていた「推進派」「容認派」たちの責任はどうなるのか、きちんとしてほしいものである。

小選挙区制は日本を滅ぼす─「失われた二十年」の政治抗争

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